発見!明日のエネルギー 「でんき未来教室」 Vol.15

古くから日本の電力供給の一端を担ってきた水力発電は、
発電時にCO2を排出しないクリーンな再生可能エネルギーです。
近年増えている豪雨や洪水といった自然災害を防ぐ役割も果たしていることで、その重要性が再認識されています。
今回は、そんな水力発電の現在と未来について考えてみます。

勢いよく放水する巨大なダム
CO2排出ゼロの純国産エネルギー 水力発電に再注目!
再生可能エネルギーのなかで、もっとも安定して電力需要に応えられる水力発電

再生可能エネルギーというと、太陽光が注目されていますが、水力発電のCO2排出量は、設備建設時の間接的排出量を含めても、太陽光の1/5と再生可能エネルギーの中でも、もっとも少ないのが特長です。水力発電の歴史は長く、日本では明治時代中頃からスタートし、電力供給に大きな力を発揮してきました。
水力発電の発電方式は、大きく分けて二種類あります。ひとつは一般的な河川を利用した発電で、安価にかつ安定した出力で電気をつくっています。そして、もうひとつは供給力に余裕のある時間帯の電力を使い、貯水池から水を汲み上げて、その水を落とす際に発電する揚水式発電で、蓄電池のような機能を持ち、電力需要の増減に対して非常に大きな力を発揮しています。特に揚水式水力発電に言えることですが、短時間で高い出力を出せるので、急な需要の増加や発電量の減少に随時対応できるのが水力発電のメリットです。

グラフ「発電別二酸化炭素(CO2)排出量」水力発電のCO2排出量は11.3g-CO2/kwhと少ない。出典:考えよう、日本のエネルギー(2004.12)資源エネルギー庁
水力発電の新しい波

再生可能エネルギーとしてだけでなく、水力発電のこうした需給バランス調整機能の再評価が進む中、さらなる運用効率の向上を目指し、スーパーコンピュータを使った研究も進んでいます。ゲリラ豪雨の発生を30分前に予測できるという、次世代の気象予測モデルを活用したシミュレーションデータと、これまで水力発電で蓄積してきた雨量や河川流量などの気象データ、ダムの放流操作の実測データなどのビッグデータをスーパーコンピュータで解析。これによりダムからの水量を最適に制御して発電量の最大化・生産性の向上を図ります。現在、長野県信濃川周辺の5つの水力発電所を使い、研究プロジェクトを進めています。

写真左)プロジェクトに使われるスーパーコンピューター「京(けい)」 写真提供:理化学研究所 写真右)プロジェクトが実施されている拠点の一つ「東京電力 生坂ダム」

新たな動きとして、水力発電のCO2ゼロという価値がついてくる電気料金プランも登場しています。それが東京電力エナジーパートナーの「アクアエナジー100」。水力発電の電気のみを使用することができるプランです。売上の一部は、水力発電の効率化や、自然保護にもなる水源地の森林育成といった、水力発電の維持・拡大に役立てられます。さらに水力発電所がある地域とお客さまを結び、発電所立地地域の地域活性化が進むように、加入されたお客さまを対象に立地地域の魅力ある名産品や自然・文化を楽しむイベントの開催なども実施しています。

丸沼ダム・発電所見学会
持続可能な地球の未来のために。水力発電が担う役割

現在の地球の気候変動やそれに伴うと考えられる異常気象を防ぐ第一歩として、よりクリーンなエネルギーを求める動きは、世界的にどんどん進んでいます。経済協力開発機構の予測によると、2050年の世界における水力発電は、2000年時点に比べて140%需要が増えていくと予測されています。
天候に左右されず、より安定的に発電ができる水力発電は、他の再生可能エネルギーを補完する働きをします。また、治水や利水もダムが果たす大きな役割です。ダムを管理する上で、森林の保水機能維持を目的とした間伐などの育成・手入れを行っていますが、川の流域全体の水害を防ぐことにもつながっています。
将来的には、海水を利用した潮力発電や波力発電などの技術開発も進みそうです。地球上に豊かに存在する「水」を有効活用できる水力発電は、これからも自然との共存を目指す社会の大切なインフラであり続けるでしょう。

「ダムカード」のイメージ

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近年、ダムの基本情報やスペックが記載された「ダムカード」が人気を集めています。 「ダムカード」は平成19年から、国土交通省と独立行政法人水資源機構の管理する施設で配布されており、ダムのことをより知ってもらうためにダムを訪問した方に配布されています。
「アクアエナジー100」に加入していただいた方には限定の、オリジナル「ダムカード」が配布される予定です。

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